天草製造の「匠」たち

完成検査 / 緒方勇一
完成検査 / 緒方勇一

各工程の意味を知り、先を見る力

品質保証課の緒方勇一です。
品質保証課は検査業務、工程内品質保証、官庁検査、クレーム処理、初期管理、品質標準類整備、外注指導等の工場の品質に携わる業務を行っています。私は主に艇の完成検査、あとは海上テスト等や現場の不具合対応等を行っています。私が検査担当する艇のクラスは、検査項目としてはすごく多くて、プレジャーボート、30フィートぐらいの船になると130項目に上る項目になります。
その検査基準というのは、まず第一に図面記載内容と比べ、検査内容と整合性がとれているかということ。
次にヤマハのBQS(Boat Quality Standard )品質管理標準において、その基準内であるかです。

実際、検査において一番難しいところは、外観の判断ですね。クラス毎に判断のランクが違い、そのちょうど境目の不良は、このクラスだとOKだけど、これ以上のクラスになるとNG。その判断が難しい。そういう時頼りになるのがやはり上司ですね。長年の経験による検査の目。姿勢や角度、手の感覚、工具の使い方、ライトの当て方。まだまだ、毎日が学びの日々です。

あと取り組むべき課題は、電気関係電装関係ですね。知識がないと、どこが原因で機能しないのか分からないんですよね。スイッチひとつにしても、このボタンを押して動かない、じゃあそのボタン自体が悪いのか、内部の配線の途中の不良か、原因は様々。
それを判断する知識がなければならない。以外に簡単に原因が分かる時もあれば、どうしても分からない場合もある。試行錯誤を重ね、時に失敗しながら、周りにも協力してもらい、一つ一つ解決していく。難しいからこそのやりがいでもあり、自分自身の自信にもつながると思い取り組んでいます。何より、一番は天草から送り出した船が、お客様の手に渡って何もクレームがなくて喜んでもらえる。また次もこの天草の船買おうかなっていうそういう風になってもらうのが一番いいことだと思います。

この仕事をやる上で上司からよく言われることは、『常に先をみて考える』。目先のことだけではなく、その先につながる影響を想像する。先(お客様)を見据えて仕事をしなければ、品質保証としての仕事は上手く回らない。
また品証保証課の仕事は、完成した艇の品質全てを保証すること。その為には、各工程の仕事を知らなければ話にならない。ですから常日頃、時間がある時は各工程を見て、聞いて、今この工程が何をどうやって作業してるのか、何の為にこの部品を取り付けなくちゃいけないのか、
『意味を知ることが重要』と言われているので、それを意識しながら常に行動をしています。

完成検査 / 緒方勇一